公的介護保険
現在、日本は長生きの時代ですが、長生きするほど「介護が必要になる確率」は高くなます。
65~69歳では3.0%、加齢とともに急速に高まり、80~84歳では29.9%、85歳以上では56.6%にも達します。
さて、どのようなきっかけから介護状態に入ってしまうのでしょうか、厚生労働省『2004年国民生活基礎調査』からまとめてみました。
- 脳血管疾患25.7%
- 高齢による衰弱16.3%
- 骨折転倒10.8%
- 認知症10.7%
- 関節疾患(リウマチなど)10.6%
- 心臓病
- その他20.0%
- 不明・不詳1.8%
となっております。
「高齢による衰弱」、「認知症」、「不明・不詳」を除けば、意外と病気・けがなどから介護状態に入るケースが多いことがわかります。
病気・けがは誰にも起こる可能性があるものです。このことから、介護状態は誰にでも起こる可能性があると認識しておいた方がよいのかもしれません。
公的介護保険の問題点
- 40歳以上の方でないともらえません
- 都道府県によりサービスが異なります
- 財政が非常に逼迫しており、制度改革は時間の問題です
認定基準を満たす身体状態の目安と在宅サービスの支給限度額および自己負担額については以下の通りです。
要介護度 |
支給限度額 (1 ヵ月) |
自己負担額 |
身体の状態(例) |
要支援1 |
49,700円 |
4,970 円 |
要介護状態とは認められないが、社会的支援を要する状態 食事や排泄などはほとんどひとりでできるが、立ち上がりや片足での立位保持などの動作に何らかの支えを必要とすることがある。入浴や掃除など、日常生活の一部に見守りや手助けが必要な場合がある。 |
要支援2 |
104,000円 | 10,400円 |
要介護状態とは認められないが、社会的支援を要する状態 食事や排泄はほとんどひとりでできるが、時々介助が必要な場合がある。立ち上がりや歩行などに不安定さが見られることが多い。問題行動や理解の低下が見られることがある。この状態に該当する人のうち、適切な介護予防サービスの利用により、状態の維持や、改善が見込まれる人については要支援2と認定される。 |
要介護1 |
165,800円 |
16,580円 |
要支援2に同じ |
要介護2 |
194,800円 |
19,480円 |
軽度の介護を必要とする状態 食事や排泄に何らかの介助を必要とすることがある。立ち上がりや片足での立位保持、歩行などに何らかの支えが必要。洋服の着脱は何とかできる。物忘れや直前の行動の理解の一部に低下がみられる。 |
要介護3 | 267,500円 |
26,750円 |
中等度の介護を必要とする状態 食事や排泄に一部介助が必要。立ち上がりや片足での立位保持などがひとりでできない。入浴や洋服の着脱などに全面的な介助が必要。いくつかの問題行動や理解の低下がみられる。 |
要介護4 |
306,000円 |
30,600円 |
重度の介護を必要とする状態 食事にときどき介助が必要で、排泄、入浴、衣服の着脱には全面的な介助が必要。立ち上がりや両足での立位保持がひとりではほとんどできない。多くの問題行動や全般的な理解の低下がみられることがある。 |
要介護5 | 358,300円 |
35,830円 |
最重度の介護を必要とする状態 食事や排泄がひとりでできないなど、日常生活を遂行する能力は著しく低下している。歩行や両足での立位保持はほとんどできない。意思の伝達がほとんどできない場合が多い。 |
※支給限度額はサービス提供事業者の所在地やサービスの種類によって異なる場合があります。
公的介護保険の認定手続き
要介護認定は専門知識をもった市町村の職員が訪問し、82項目の質問を行います。
これによって介護が必要かどうかコンピューターによる判定とかかりつけ医師の意見書を介護認定審査会に提出し、判定が行われます。
判定に不服があれば、再度、審査請求が可能です。