医療法人の生命保険
医療法人を経営されている方のための生命保険について解説します。
医療法人とは
始まり・・・昭和25年
医療法人数・・・44,027法人、うち常勤医師を一人しか持たない「一人医療法人」は36,973法人(全医療法人中の80%を占める)
医療法人は全病院の60%、全診療所の30%(個人診療所は50%)、全歯科診療所の13%(個人歯科診療所は85%)を占める。(2007年3月末現在)
根拠規定・・・医療法 第4章
認可・・・開設する都道府県の知事(2都道府県以上に開設する場合、厚生労働大臣)
医療法人の種類・・・社団法人・財団法人
社団法人はさらに持分があるかないかで大きく二つに分かれる。
医療法人の8割は 持分がある営利社団法人である。
※ 持分とは・・・株式会社と同じで、出資した額に対しての持分があるかないかということ。解散時に出資した額を元に持分を定める。財団法人は持分は無い。
用語解説
社団法人・・・公益社団法人と営利社団法人のほか、特別法によって設立される中間的社団法人(中間法人)がある。
※ 社団・・・一定の目的をもった人の集団
財団法人・・・一定の目的のために提供された財産を運用するため、その財産を基礎として設立される法人。現行法上、公益を目的とする公益法人に限って認められる。
※ 財団・・・一定の目的のために結合された財産の集合体
過去の医療法人制度
以前は常勤医師が3人以上いなければ法人成りすることは出来なかったが、昭和61年の改正で1人でも可能となる。
最新の改正は平成19年4月1日の第5次医療法改正。
医療法人のデメリット
剰余金の配当が出来ない(医療法54条)
医療法人のための保険活用
医療法人の保険活用方法で役に立つのが、医療法人は剰余金の配当が出来ない(医療法54条)ため、資産がどうしても法人内に貯まってきてしまいます。そうした場合、その解決方法の方法の一つとして生命保険を活用する方法があります。
逓増定期保険を使い、剰余金を外に吐き出します。逓増定期保険でも初期に解約返戻金が押えられている初期低解約返戻金型逓増定期保険というものがあります。
最初の5年(保険会社によりこの期間は変わります)は解約返戻金が少なく、5年後以降通常の解約返戻金の水準に戻るというものです。
このプランの流れは、
- 契約者貸付制度(APLとも言います)を活用します。
- 3年間、保険料を払い、ある程度解約返戻金を貯めていき、4年目と5年目は契約者貸付を実行し、保険料は払いません。
- 5年目、解約返戻金が押えられているうちに、契約者を法人から個人へ変更します。変更に際しては、個人の方が解約返戻金相当額でこの保険を法人から買い取る手続きが必要です。
- 5年目以降、解約返戻金が通常の水準に戻るのでその時点で解約し受け取ることで、投入した資金を回収することが可能です。